高いドメインと安いドメインの違いは何?
過去にブローカーサービスにて、ドメインの現在の所有者と弊社にお問い合わせを頂いたお客様との間でやり取りをしている中で、ドメインの価格に関するご質問がありました。「所有者どうしてこんなに高額を要求してくるのか?」という内容です。こちらに関して、過去の経験を踏まえた私見とともに、価格に関して考察してみたいと思います。
尚、今回もドメインの価格を試算するためのツールとして、GoDaddyのツールを使用しています。試算価格は全て、記事執筆時点でのGoDaddyの査定価格を基にしております。
→ GoDaddy >Free Domain Value and Appraisal Tool
過去の記事でもドメインの価値について紹介していますので、こちらもご参照ください。
→ ドメインの価値は
短くシンプルな文字列ほど高額になる
プレミアな価値を持つドメインは、どうして値段が高いのか?試算価格が高くなるドメインには、その傾向があります。そこから私なりの考察を述べていきます。
文字列が短くなればなるほど、ドメインの価格が高くなる傾向にあります。個人的な経験則では、4文字以内になればなる程、数字を含めても1文字に近くづけば近づく程高くなっていきます。
あくまでも参考事例として、a.com というドメイン名があります。アルファベットの中で世界で一番シンプルな文字かもしれません。
この文字列を例に試算価格の推移を紹介していきます。
単一文字の場合
| a.com | more than $25,000 USD |
|---|---|
| aa.com | more than $25,000 USD |
| aaa.com | more than $25,000 USD |
| aaaa.com | more than $25,000 USD |
| aaaaa.com (aが5個) |
$12,940 USD |
| aaaaaa.com (aが6個) |
$6,983 |
| aaaaaaa.com (aが7個) |
$4,853 |
| aaaaaaaa.com (aが8個) |
$4,955 |
| aaaaaaaaa.com (aが9個) |
$3,310 |
以上の用に、ドメインの文字数が短ければ短いほど高額となります。同じ文字の繰り返しの場合、個数が増えれば増えるほど評価額が下がっていくのがわかるかと思います。単一文字が連続したドメイン名であっても、軒並み高額となるのは驚きです。
しかしながら、j.comとなると、
| jjjj.com (jが4個) |
$18,581 USD |
|---|---|
| jjjjj.com (jが5個) |
$4,633 USD |
| jjjjjj.com (jが6個) |
less than $100 |
jjj.com(3個)までは、いずれも more than $25,000 USD でした。
となり、アルファベットのAとJでは試算評価に差が出てきます。
シンプルな文字列の場合
また同一のアルファベットでなく、シンプルな文字列にした場合はどうなるのでしょうか?今回はアルファベットを例にします。
| ab.com | more than $25,000 USD |
|---|---|
| abc.com | more than $25,000 USD |
| abcd.com | more than $25,000 USD |
| abcde.com | $18,583 USD |
| abcdef.com | $6,382 USD |
| abcdefg.com | $6,589 USD |
| abcdefgh.com | $4,546 USD |
| abcdefghi.com | less than $100 (USD) |
傾向として、文字列が長くなるとドメインの試算評価は減少していきます。
日本語ベースの場合
これに対して、日本語ベースとなるとどうなるか、検証してみました。
| a.com | more than $25,000 USD |
|---|---|
| ai.com | more than $25,000 USD |
| aiu.com | |
| aiue.com | |
| aiueo.com | |
| aiueoka.com |
日本語ベースとなると、「あいうえ」に該当する文字列より、「あいうえお」まで一旦完結する文字列の方が高くなっています。一方、「あいうえおか」までになると、一気に価格が下落します。アルファベットと比較しても、6文字の時点での価格差が大きいことに気づく事ができます。
そのため、短い文字列とシンプルな文字列は高くなる傾向があります。
わかりやすい単語は高くなる
英語1単語でのドメイン名
上記で紹介した通り、短い文字列が高くなるのがお分かり頂けたかと思いますが、それ以外の傾向としてわかりやすい単語を使用したドメイン名も高くなってきます。
| car.com | more than $25,000 USD |
|---|---|
| book.com | more than $25,000 USD |
| hotel.com | |
| school.com | more than $25,000 USD |
| insurance.com | |
| opportunity.com |
上記のように、英単語1語で表せるドメインはどれも高額でした。car.com など短い文字列なら高くなる傾向があるので、高額になる理由が十分理解できますが、機会を意味する opportunity のみのドメイン名 opportunity.com は、合計11文字であっても高額となっています。
2単語でのドメイン名
それでは、2単語を組み合わせた文字列の場合を見てみます。
| highschool.com | more than $25,000 USD |
|---|---|
| carinsurance.com | more than $25,000 USD |
| universitystudent.com | |
| cancerhospital.com | $7,823 USD |
| goodrestaurant.com |
わかりやすい単語の組み合わせでも、たとえ長めな文字列であっても価格が高くなっていることがわかります。
【番外編】ネガティブワード文字列
| badrestaurant.com | $1,540 USD |
|---|---|
| funeralfestival.com | $1,540 USD |
| terribletravel.com | |
| suicidespot.com | $1,240 USD |
上記もシンプルな単語2ワードを組み合わせたドメイン名ですが、軒並み低くなっています。ネガティブワードが含まれる言葉の場合、文字列の長さに関係なく、低くなる傾向があるようです。
.comとそれ以外
一般的なドメイン名とえば.comですが、それ以外には.netや.jpも広く使われています。
グローバルな視点で見ると、.netや組織などを意味する.orgや情報を意味する.infoも広く使われています。
上記で紹介してきたドメインの試算額を比較してみると、更に興味深い点が見えてきます。
| aaa.net | more than $25,000 USD |
|---|---|
| aaaa.net | $5,858 USD |
| aaa.org | $21,812 USD |
| aaaa.org | $5,619 USD |
| aaa.info | $7,594 USD |
| aaaa.info |
| aiueo.net | $1,399 USD |
|---|---|
| aiueo.org | $1,631 USD |
| aiueo.info |
同じ文字列でも.com以外となると、大きく金額が変化しているのがわかります。.comの方が価格が高くなりやすい傾向が見えてきます。
文字列に1手間工夫すると評価額が低下する
例えば、単語の間に”-“(ハイフン)や一文字を入れ替える様なパターンです。
先述の goodrestaurant.com を例に検証してみます。
| goodrestaurant.com | $2,289 USD |
|---|---|
| good-restaurant.com | $932 USD |
| goodrestaurants.com | |
| good-restaurants.com | $822 USD |
| restaurantgood.com | |
| restaurantsgood.com | |
| restaurants-good.com |
goodrestaurant を複数形の goodrestaurants にすると一気に評価額が上がりました。おそらく複数形にすることで、食べログの様な様々な良いレストランを紹介するサイトの用途に向いていると判断されたのが大きな要因かと、私は分析しています。
一方、good-restaurant の様にハイフンを入れるだけで、評価額は半額以下となります。また、単語の前後を入れかえるだけでも、評価額が変化しています。
単語の前後を入れ替えた後、ハイフンを入れるだけで、元の評価額から1/3までにダウンしています。
結論
上記のように色々な角度から分析してみると、傾向がはっきりと見えてきます。
- 文字列が短い方が高額評価となる
- シンプルな単語ほど高額評価となる
- .comが一番高額評価となる
- 似たような文字列でも、1手間加えるだけで評価額が大きく変動する
以上のことを踏まえ、もしご自身が取得しようとしているドメイン名が、既に取得されている場合、.com以外の他のgTLD(.netや.orgなど)や、ccTLD(.jpなど)で取得できるかどうかを検討してみてください。
また希望とする文字列のドメインが取れない場合でも、ハイフンや文字を入れ替えるだけで、大きく意味を変えることなく希望に近い文字列のドメインが取得できるかもしれません。
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